vol.21 朝、歯磨きしてたら、口から水がぼろぼろこぼれる、、、、 2009.9|兵庫県神戸市「兵庫」駅から徒歩2分の耳鼻咽喉科。

深澤耳鼻咽喉科

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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.21 朝、歯磨きしてたら、口から水がぼろぼろこぼれる、、、、 2009.9

顔面神経麻痺と呼ばれる病気の起こり方は、こんな風におこることが多いです。
顔の表情をつくったり、目を閉じたり口を閉じたりする筋肉に命令を与える神経が顔面神経と呼ばれる神経で、これが麻痺する病気が顔面神経麻痺です。

表題のように、多くの患者さんは朝、異変に気づきます。口輪筋と呼ばれる口を閉じる筋肉が麻痺し、きっちりと口が閉じないので歯磨きやら食事のときにこぼれてしまうことが多いのです。また、眼輪筋と呼ばれる瞼を閉じる筋肉も麻痺すると、目が完全に閉じないので、結膜が乾燥して、ウサギさんの目みたいに白目の部分が真っ赤になります。さらに、おでこにもシワができなく、ホッペの筋肉も麻痺すると、人相が一変します。

原因は、不明であることが多いのですが(Bell麻痺と呼ばれています)、水ぼうそう・帯状疱疹ウイルスが原因のこともあります。頭蓋内(脳)の腫瘍や、脳梗塞などでも起こることがあります。顔面神経は脳から出て、中耳腔(中耳炎で炎症がおこるところ)のすぐそばを通り、耳たぶの後ろ下から耳下腺(おたふく風邪のとき腫れる唾液腺)の中を通り、顔の筋肉へと分布してゆきます。従って、耳下腺腫瘍などでも顔面神経が麻痺することがあります。

治療は、原因によりますが、もっとも多い原因?のBell麻痺(原因不明なのです)では、ステロイド・循環改善剤、ビタミンB12などの内服あるいは点滴治療を行います。神経がなんらかの原因で腫れあがってしまっていることが病気の本態なのでそれを改善させるというわけです。水痘・帯状疱疹ウイルスが原因である場合は(典型的な場合、耳介・顔などに水疱や湿疹がでます)、抗ウイルス薬を併用します。いずれの場合も、麻痺が起こってからなるべく早く治療を開始しないと治療成績が悪くなってしまいます。1週間以内には遅くとも治療開始したいところです。それでも重症の場合は、よくなるのに3-6ヶ月かかることもあります。
手術で、顔面神経が通ってる骨を削り、腫れあがっている神経の減圧を行う方法もありますが、薬の治療と手術治療の優劣はまだ十分検討されていません。かなり重症の場合は手術法を行うことがあります。

顔面神経は、聴こえの神経(聴神経)・バランスの神経(前庭神経)のすぐ近くを通ってるので、これらの神経も一緒に悪くなることがあります(難聴、めまいがおこる)。Hunt症候群とよばれ、この場合少々厄介です。

顔面神経の中に、味を(舌の前三分の二の領域)感じる神経が一緒に走っています。この病気の場合、麻痺した側の舌の前のほうの味覚が障害されたり、ピリピリした感覚になることがあります。たいていは病気の軽快とともによくなります。

右顔面神経麻痺のとき(下の絵)


通常


目をしっかり閉じた時

*目が閉じなくて、口が左へ偏位する。力を入れないときでも、右の鼻唇溝(ホッペの溝)がはっきりしなくなる。

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