vol.23 ロックと難聴 2009.11|兵庫県神戸市「兵庫」駅から徒歩2分の耳鼻咽喉科。

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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.23 ロックと難聴 2009.11

2009.11.01

image042 “昨夜、ロックのライブに行ってから、耳でキーンと音がなっていて、なんだか聞こえにくい。”といって来院される若い方がたまにおられます。
  ロックとは、音楽の“ロック”のことです。一般に“ロック”と呼ばれる音楽はかなり大音量で聴くことが多いのではないでしょうか。ライブ・コンサートなどでは、巨大なスピーカーから強大音が出ていることもしばしばです。

この方の場合、強大な音が耳に入り内耳と呼ばれる音を感じる部位が障害をうけてしまった状態です(急性音響障害と言います)。大抵は、ステロイド、内耳循環改善剤などの内服(ひどい場合は点滴治療も)でよくなりますが、重症の場合、聴力が改善しないこともありますので、できるだけ早く治療開始したいところです。
  若いからと言って、耳にあまり負担をかけることはよくないですし、たとえこのような音響障害で改善したとしても繰り返し強大音を聴いていると徐々に内耳のダメージが進行し、元にもどらなくなることも少なくありません。耳鼻科の立場からいえば、ライブコンサートなどでは巨大スピーカーの前に陣取るのは極力さけて、あまり大きな音であれば耳詮をするくらいの配慮が必要です。

  image046もう随分前からですが、電車などではイヤホン・ヘッドフォンで音楽を聴くことがスタイルとして流行?しています。老若男女問わず。歩いていても、電車の中でも、自分だけ好きな音楽が聴けるという利便性がいいのだと思いますし、私も電車内で聴いたりしています。
  ここでも音による耳への障害に気をつけなくてはいけません。外に音が漏れるくらいの大きな音量で音楽をきいている方も時々見かけます。低音は外へ漏れにくいので、たいてい“シャカシャカ”という高い音が漏れてきています。

ただ、外へ音が漏れる程度の音量は、かなり大きな音量であると思います。この場合、先の急性音響障害のように音楽を聴いた後から急に聞こえが悪くなるということはまず起こらないのですが、毎日のように強大音響でイヤホンなどを介して音が耳にはいると、徐々に難聴になってゆくことがあります。徐々に、悪くなるので、本人が気付かないで難聴が進行するので厄介です。これも音響障害なのですが、この場合あまり有効な治療方法がなく、本人が難聴を自覚したときにはすでにかなり悪くなっている、といったことも多々あります。
  騒音環境で仕事をされている方も、同じ様に徐々に難聴が進行することがあります。鉄工所、造船など、強大な音にさらされている環境で、やはり自覚症状があまりなくて健康診断などで初めてみつかる場合も少なくありません。産業医などの指導もあると思いますが、将来のことを考えて、騒音防止の耳栓などを装用することを勧めます。

このように、騒音によって徐々に難聴が進行する場合は、4000hzあたりの音が最初に障害をうけることが多いです。音楽でいうドレミのドの音の第5フォルマントに近い音なので、我々は4000hzが悪くなった状態をC5-dip(dipとは落ちこむという意味、Cはドの音のこと)と呼んでいます。

*大好きな音楽を、いつまでも楽しむために、強大な音で耳を痛めつけないように注意してください。

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