vol.33 お酒とノドの話 2010.11-12|兵庫県神戸市「兵庫」駅から徒歩2分の耳鼻咽喉科。

深澤耳鼻咽喉科

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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.33 お酒とノドの話 2010.11-12

古くから、お酒は“百薬の長”などといわれるほど、たしなむ程度のお酒は、身体にも良い、あるいは薬の一部、とされてきたこともあるようです。また、漢方薬の中には少量のお酒と飲むと有効なものもあったとか。

 さて、現在はいかがでしょう?
この時期(年末)、なにかとアルコール摂取が多くなりがちな方も多いかと思います。夜の繁華街が賑わう季節でもありますが、多くの場合、“百薬の長”とはなっていないように思います。アルコールの取りすぎは、肝臓やら急性膵炎やら胃炎など、内科系の病気は皆さんよくご存知かと思いますが、耳鼻咽喉科領域でも、アルコールの過剰摂取はいろんな病気を引き起こしやすくなります。

 最も怖い病気は、咽頭ガンです。特に、下咽頭ガンは、食道に近いノドにできるガンで、アルコールとの関係が強いといわれています。かなり、濃度の濃いお酒をストレートで飲む習慣のある方は要注意です。ノドの下(下咽頭)は、ゴクリと飲み込む時に食物などを食道へ送り込む部位ですので、アルコールにも、最も曝されやすい部位とも言えます。
アルコール度数40-50度のウイスキーなどは、そのまま飲むとノドがカーっと熱くなるほどの刺激がありますが、さすがに丈夫なノド・食道の粘膜も高濃度のアルコールには参ってしまいます。できるだけ、薄めて(水割りなど)あるいは、チェイサー(濃いウイスキーを飲むとき、別に水ものむのですが、その水のこと)もしっかり飲んでおく方がよいと思います。日本酒は12-15度程度ですが、水で割って飲まないでそのまま飲むので、結局比較的濃いアルコールが入ることになってしまいます。
  下咽頭ガンは、ノドの痛み、ノドの異物感、飲み込みにくい、などが主な症状です。早期発見が行いにくい病気ですので、お酒をのむ方は注意が必要です。

 image066夜遅くまで飲酒して、そのまま横になって寝ると、胃の内容物(お酒も含む)が、胃からノドまで逆流してくることがあります。胸焼け症状もおこるので、逆流性食道炎と呼ばれます。胃から食道を通ってノドまで逆流するわけですから、胃酸(塩酸です)+アルコールがノドにやってきて、ノドの粘膜が傷害をうけます。ノドが焼けたような感覚やら、咳がでたりします。普段、胸焼け症状のない方であれば、この場合、数日で良くなりますが、日ごろ晩酌が過ぎる方は、逆流することが日常におこることもあり、なかなか治らない咳、ノドの違和感といった症状がつづくことがあります。また、声帯に肉芽腫という炎症でおこるかたまりが出来ることがあり、声がかすれることもあります。
古来“酒は百薬の長”であったとは思いますが、現在では、簡単に手に入る嗜好品となっています。決して、“百害”にならないように、たしなむのがいいと思います。

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