vol.49 鼻うがい|兵庫県神戸市「兵庫」駅から徒歩2分の耳鼻咽喉科。

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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.49 鼻うがい

2018.07.20

“鼻うがい”という言葉をよく聞きます。普通のウガイは口の中(口腔、咽頭)を水やらウガイ薬などで消炎させることを目的に行われる方法ですが、“鼻うがい”は、鼻の中を洗浄することを目的に行う方法としての言葉のようです。

 

今回は、“鼻うがい”について、考えたいと思います。ただし、今回の記事はあくまで私の私見として述べてみたいと思います。

 

最初に、鼻腔の粘膜は、口の中、喉の粘膜とはずいぶん異なることを知る必要があります。口の中、ノド、食道は食べ物が通過してゆく通路です。口の中では、そしゃく(咀嚼)という食物を飲み込みやすくする動作、また消化液を混ぜ合わせる操作が行われる場所でもあります。

熱いもの、辛いもの、冷たいもの、時にアルコールなども、この通路を通って胃に運ばれます。その目的のため、口からノド、食道の粘膜はとても丈夫な粘膜になっています。胃の粘膜はデリケートな粘膜なのですが、強力な胃酸から守る術を持っています。

 

一方、鼻は呼吸をするための空気の入り口です。また、鼻の中では入ってくる空気を温めて、湿度を上げ、細かいホコリなどが肺に入ってゆかないような働きがあります。また、鼻の粘膜は常に粘液で覆われ、鼻粘膜に付着したホコリなどを鼻の奥に運び、喉へ落とし込むようにできています。鼻粘膜は表面に非常に細かい毛の生えた絨毯みたいな構造になっていて、この毛(線毛)の連動した動きがその元になっています。非常にデリケートな粘膜なんです。

 

で、鼻の中をきれいにする目的で、少し塩を混ぜた温かいお湯などで鼻からお湯を吸い込んで出す、あるいは口から吐き出す、といった行為を“鼻うがい”として行われていることがあるようです。が、これはかなりまずい事を引き起こす可能性が高いのです。いわゆる“鼻うがい”を行うと、デリケートな鼻の粘膜が傷害され、本来の鼻の機能が損なわれます。分泌された粘液が鼻から喉へ運ばれなくなり、」ますます鼻水が鼻の中に留まってしまう悪循環になります。また、花粉症にも“鼻うがい”を宣伝してるメーカーもありますが、うがいしてもその後に花粉が鼻へ入ればすぐにアレルギー反応が起こるので全く意味がないと言えます。また、入った花粉を洗い流す、ということも意味がなくて、入った花粉は直ちに鼻粘膜上で破裂し、アレルギーを引き起こす物質が広がりますので、後で鼻うがいをしても、これも意味がありません。

 

鼻粘膜は非常にデリケートであり、意味のない“鼻うがい”はやめた方が良いと思います。例外は、鼻手術の後などで、一時的にカサブタなどが付着しやすい場合、特殊な疾患で、粘膜障害が強い状態などでは鼻洗浄を行うことはあります。

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