vol.24 みみ・はな・のど・食道・気管の異物 2009.12|兵庫県神戸市「兵庫」駅から徒歩2分の耳鼻咽喉科。

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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.24 みみ・はな・のど・食道・気管の異物 2009.12

2009.12.01

もっとも多いのは、“のど”の異物です。その中でも最多は、魚の骨がささった、というものです。特に日本では、鯛の骨から鰻の骨まで、もちろん食べる魚はいろいろなので、大きさもさまざまです。大きな魚の骨なら、見つけるのも簡単なのですが、鰻やら鰯の骨などになると、かなり小さな骨のこともあり、刺さってる場所を見つけるのに苦労することもあります。“のど”、の中でも扁桃腺にささることが最も多く、ついで舌の根っこあたりになります。扁桃腺が大きい方は、刺さりやすいようです。時に、食道へ向かう下咽頭と呼ばれる奥に刺さってることもあります。
  “ごはん”の丸呑みで取れると言われてますが、その行為はかえって異物を押し込んだりすることもあり、危険です。何もしないで受診していただくのがいいです。
  ブリッジ型の義歯やら、おもちゃの部品などが下咽頭(食道への入り口)あたりにひっかかっていることもあります。乳幼児では、全身麻酔をかけてとらないと無理なこともあります。

食道まで異物が入り込む(無理やり飲み込んでしまう)こともあります。私の経験では、硬貨・義歯(かなり大きいのですが、どうやって飲み込んだんだろう、と思うこともあります)・キャベツの芯・囲碁の石などがあります。これらの場合は、全身麻酔下での摘出を行います。食道異物は、お子様と年配の方が多く、子供は興味本位で、年配の方は、飲み込む力・咀嚼(噛むこと)の力が弱いことも原因と思います。硬いものは無理をせず、しっかり咀嚼して飲み込むようにしたいものです。万が一、電池(小さな円盤状のもの)を誤って飲み込んだ場合は、食道粘膜がただれることがあるので、なるべく早く取り除かないといけません。

気管支異物は、それ自体多い異物ではないのですが、非常に危険な状態といえます。節分のときなど、幼児が豆を口に入れた状態で誤って吸い込んで気管支に入り込むなどが原因となります。特に、ピーナッツは脂分が多く、気管支粘膜の炎症を強く起こすので厄介です。熱も、風邪症状もない子供さんが、急に咳き込みだした場合、気をつけるべき状態です。乳幼児には、ピーナッツは食べささないことが肝心ですし、手の届くところにも置かないのがいいと思います。口に何か加えて走り回ったりさせないことも重要です。
この異物の場合、大学病院などの施設での処置が必要となります。もっと大きなものが喉(喉頭―気管)につまった場合は、直ちに喀出させる方法をとらなければなりません。窒息の可能性が高くなるので、救急の手引きなどに一度目を通しておいたほうが良いかと思います。

の異物も、幼児に多い異物です。消しゴムのかけらとか、おもちゃの部品など、遊んでいて自分の鼻へ入れちゃうことがあります。ある程度の大きさのことがほとんどなので、吸い込んでしまって気管にはいることはまずありませんし、ほとんどは鼻の入り口にとどまっていますので、耳鼻科の外来で取れます。

の異物も、やはり子供が多いです。遊んでいたり、ふざけていて、異物を耳にいれちゃうことが多いです。ビービー弾と呼ばれるおもちゃの鉄砲の弾の耳異物が結構みられます。耳を覗くと、見えてることも多いのですが、下手に手を出すとかえって奥に押し込んでしまうので、やはり耳鼻科でとってもらいましょう。

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