身体の平衡は、主に3つの器官からの感覚の情報を集めて維持されています。1つは眼からの情報、1つは内耳(三半規管と耳石器)からの情報、1つは手や足の筋肉からの情報です。これらの情報は、脳の中の脳幹や小脳で受け取られ、この場所から身体の各場所に命令が伝えられて平衡が保たれています。
これらの3つの情報源と情報を集めるセンター、それらを結ぶ道に何らかの異常が起こると、身体平衡の乱れが生じ、その乱れをめまいとして感じることになります。
めまいにはいろいろな種類があります。「自分がぐるぐるまわる」「周囲がまわる」「目の前が暗くなる」など、挙げればきりがないほどです。
また、めまいの種類がたくさんあるのと同じように、めまいを起こす原因も数え切れないほど多くあります。
耳の異常が原因で起こるめまいの中で、比較的よくある疾患です。40代~60歳代の女性に多いのが特徴です。耳鳴りや難聴は伴いません。
この病気は内耳と言われる場所にある半規管のバランスが崩れ、一定の方向に頭を動かした時10数秒から2,3分の回転性めまいが生じます。
吐き気や嘔吐を伴うことがあります。めまいを繰り返すと徐々にめまいの症状は軽くなり、めまいは起こらなくなってきます。
[症状]
寝返りをうったときや朝起床時に寝床から起き上がるときなどに、ぐるぐる回転するめまいが起こります。
めまいが起こる位置(頭位)は人それぞれ違います。
頭を動かした瞬間に始まり、ひどいめまいがしますが、同じ姿勢でいるとすぐに軽快し消失します。持続時間は数秒から数10秒くらいです。
ぐるぐる回転するめまい、それと一緒に難聴・耳鳴りが起こる疾患です。
その発作は繰り返しおこり、その頻度は週1回から年に数回とさまざまです。発症年齢は30代~50代に多く、女性の割合が多いのも特徴の1つです。
「繰り返すこと」と「難聴などの耳の症状が一緒に起こる」という2つの要素が重要になるため、症状が「めまいのみ」あるいは「初めて」のときに、メニエール病という診断がつくことはあまりありません。
原因は現在の医学ではまだハッキリと解明されていませんが、内耳の内リンパ水腫(水ぶくれ状態)が関係していると考えられています。
[症状]
突然激しいぐるぐる回る回転性のめまいが起こり、30分位から数時間続きます。
同時に、耳鳴りや難聴・耳閉感(耳のつまった感じ)といった症状もあらわれます。また、吐き気・嘔吐・冷や汗・顔面が蒼白くなる・脈が速くなるなどの症状を伴うこともあります。
メニエール病では、めまいが起こる発作期とめまいがおさまる休止期とがあり、これを交互に繰り返します。休止期には、耳鳴りや難聴もほとんどなくなって軽くなります。