アレルギー性鼻炎は季節性と通年性に分かれます。季節性とは花粉症がほとんどです。
通年性アレルギー性鼻炎とは文字通り一年中アレルギー性鼻炎があり、鼻の中にある甲介(こうかい)とよばれる粘膜のヒダがアレルギー反応などで腫脹すると鼻づまりが起こります。
その原因は家のホコリやダニのフンや死がいです。ペットのフケやカビも通年性アレルギー性鼻炎の原因となります。
当院では、ラジオ波を用いた装置で甲介粘膜内を処理し、粘膜の腫脹を軽減させます。鼻水・くしゃみにもある程度効果があります。有効性は個人差・アレルギーの重症度によっても異なりますのでご相談ください。
春の花粉症に対しての本治療については、12月から1月に行うのがより有効です。(有効性についてはこれも個人差・その年の花粉飛散量などによって差があります)
アレルギー性鼻炎の症状は「くしゃみ鼻水型」「鼻づまり型」「混合型」の3タイプにわかれます。
程度は下の表のように分類されます。程度によって治療も変わってきます。
表は横にスクロールできます。
- | + | ++ | +++ | ++++ | |
くしゃみ (1日の平均発作回数) |
0回 | 1~5回 | 6~10回 | 11~20回 | 21回以上 |
鼻水 (1日の平均発作回数) |
0回 | 1~5回 | 6~10回 | 11~20回 | 21回以上 |
鼻づまり | なし | 口呼吸は全くなし | 鼻閉が強く、口呼吸が1日のうち時々あり | 鼻閉が非常に強く、口呼吸が1日のうちかなりの時間あり | 1日中完全につまっている |
日常生活の支障度 | 軽症未満 | あまり差し支えない | 苦しい | 手につかないほど苦しい | 全くできない |
風邪をひいた後などに膿のようなネバイ鼻が出る・頭が重い・頬や上の歯が痛む等の症状が起こることがありますが、その場合、急性副鼻腔炎を疑います。
風邪で炎症を起こして弱くなった鼻の粘膜に細菌が悪さをして、鼻の中だけでなく副鼻腔と呼ばれる鼻のまわりにある空洞に炎症がひろがった状態です。
炎症が強い場合はひどい頭痛・眼痛がしたり、急に視力が悪くなることも稀ではありますがあります。大抵は抗生剤で良くなりますが、視力障害がでるなどの重症の場合は、緊急手術が必要な事もあります。
このような副鼻腔の炎症を繰り返したり良くならない場合、慢性の副鼻腔炎になってしまうこともあります。鼻茸という粘膜の水膨れによるポリープが出来たりすることもあります。
ある種の抗生剤を少し長期に内服していただいたりしながら治療を行いますが、鼻茸が大きかったり治療しても良くならない場合は、手術治療を行うこともあります。(入院手術が必要な場合、近隣の病院などへ紹介させていただきます)
最近、大人になってから気管支喘息を発症されて、鼻が悪い患者様が増えているように感じます。あるいは、喘息は発症してないけれど血液中の白血球の一つ、好酸球が増加している状態の副鼻腔炎患者様がおられます。
これらの場合、副鼻腔炎(慢性)・鼻茸・嗅覚障害を起こしている場合がほとんどで、普通の副鼻腔炎治療ではなかなかよくなりません。好酸球を抑制するアレルギー系の薬、ステロイドなども併用しながら治療を行うことが多いです。
当院ではアレルギー性鼻炎・花粉症・慢性鼻炎(肥厚性鼻炎など)で鼻づまりが重症の方に、当院では日帰りで受けることが出来る手術治療も行っています。
手術は、麻酔など含めて40~50分程度で終了します。特に実際の手術時間は、両方の鼻で3~5分程度です。保険適用手術です。
1.初診
今までの経過・現在の症状・治療のご希望などを伺います。
2.症状評価
内視鏡検査などで現在の状況について調べます。
3.術前検査
手術を行うために必要な術前検査を行います。
4.手術
局所麻酔下に鼻内視鏡手術を行います。
5.術後診察
手術後、週に1~2回程度の鼻処置を行います。