におい・味がわからない等の症状に対して診断・治療を行います。
鼻炎・副鼻腔炎・風邪のあとの臭いの障害が多く、なるべく早期に治療が必要です。高血圧などたくさんの薬を飲まれている方に味覚障害を生じることもあります。
においがわからなくなる症状です。もっとも多い原因は鼻炎・副鼻腔炎(ちくのう症)です。
この場合、鼻炎・副鼻腔炎の治療を行うことで多くの嗅覚障害は回復します。
次いで、風邪をひいたあとににおいがわからなくなる方がおられます。風邪は治ったのににおいがもどらない状態です。ステロイド点鼻、あるいはステロイド局所注入療法(深澤ら、日本耳鼻咽喉科学会誌掲載)、循環改善剤、ビタミンB12、漢方薬などで治療します。
その他、頭の外傷後・長期にわたるある種の薬による副作用などが原因となります。
【掲載雑誌一覧】
深澤ら:嗅覚障害・特集・ステロイド薬の正しい使い方.ENTONI,48:56-60、2005
深澤ら:嗅覚障害患者に対するステロイド懸濁液局所注入療法. 日本耳鼻咽喉科学会誌 102:1175-1183,1999 M.Fujii, K.Fukazawa et al.: Olfactory dysfunction in patients with head trauma. Auris Nasus Larynx 29:35-40, 2002
深澤:基準嗅力検査・静脈性嗅覚検査による慢性副鼻腔炎および感冒後嗅覚障害予後判定. 日本鼻科学会誌 45:82-83,2006 K.Fukazawa: A local steroid injection method for olfactory loss due to upper respiratory infection. Chemical Sense 30:212-213,2005
深澤:高齢者嗅覚障害の特徴と治療.医学のあゆみ 197:543-546,2001 M.Fujii, K.Fukazawa et al.:Olfactory acuity after total laryngectomy. Chemical Sense 27:117-121,2002
味がわからなくなる障害です。高血圧の薬、その他各種の薬の長期使用によって生じる薬剤性の味覚障害がよくみられます。
また、血液中の亜鉛が不足して生じることもあり、その場合は亜鉛を補給する治療を行います。
舌にカビが生えていて、痛みをともなったりする味覚障害もまれに見られますので、その場合はカビを除去する治療を行うこともあります。
風邪のあとに味覚障害をきたすこともありますが、この場合多くの方は自然に回復します。
当院では、電気味覚検査装置で味覚障害の程度を検査します。
味覚障害は様々な要因によって引き起こされる症状で、まれに重病のシグナルである場合もありますので、まずはお気軽に当院で診察されることをおすすめします。