vol.29 ノドの怖いはなし 2010.6|兵庫県神戸市「兵庫」駅から徒歩2分の耳鼻咽喉科。

深澤耳鼻咽喉科|兵庫県神戸市でのアレルギー、予防接種

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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.29 ノドの怖いはなし 2010.6

2010.06.01

Screenshot_1蒸し暑い6月に少し怖い話をしたいと思います。6月は、体調管理もむずかしく案外風邪をこじらせることが多い季節です。
通常の風邪とは、ノド・鼻の急性炎症で、原因はウイルスでおこることが多い病気です。鼻水、ノドの痛み、発熱、咳、倦怠感、頭痛などが主な症状です。治療は対象療法で、鎮痛解熱剤、咳止め、鼻炎の薬などに加え細菌感染のある場合などは抗生剤も飲んでもらいます。
  ただし、無理をしたり、我慢しすぎると、怖い病気に進展してしまうことがあります(頻度はそれほど多くないですが)。以下に代表的な病気をあげておきます。
* 扁桃周囲膿瘍
 もともと扁桃腺が弱い方が風邪などを ひいて扁桃腺に細菌感染がおこり、さらに悪化して扁桃腺の奥へ細菌が広がり膿瘍(膿が溜まってしまった状態)が出来てしまう病気です。扁桃腺自体は硬い膜で覆われているので通常は細菌感染が起こっても扁桃腺内の炎症おわるのですが、まれに膜を超えてノドの奥の柔らかい組織に細菌が進入して膿瘍ができます。こうなると非常にノドが痛くなり、十分口が開けられなくなります。食事もノドを通らなくなります。たいていは左右どちらか一方に起こります(図1)。このまま放置すると、細菌はさらにノドの奥に侵入し、喉頭(声を出すところ)、咽頭下部、食道、縦隔(心臓、食道、気管などがある胸の真ん中あたりの区域)へ細菌がひろがり、とくに縦隔まで感染が及んだときは、救命率が50%以下となります。
 そうならないように、扁桃腺の奥にある膿瘍をハリで突いて膿を出したり、場合によっては切開して膿をだすことが重要になります。入院治療が必要なことも少なくありません。
Screenshot_2* 急性喉頭蓋炎・急性喉頭炎
 この病気も風邪に引き続いて起こることが多いです。口の中をのぞいても喉頭が観察できないので、耳鼻咽喉科医でないとわかりにくい病気です。喉頭は声を出す器官であるとともに、気管・肺へと続く関所みたいな場所でもあります。従って、ここが腫れると十分呼吸が出来なくなり、重症の場合、窒息で命を落とすこともあります。ノドの痛み、とともに、声が出しずらい、声の質が変わった(かすれ声、含み声(何かがはさまったような声))、声が出なくなった、息苦しい、などの症状があればできるだけ早めに受診することを勧めます。喉頭には喉頭蓋と呼ばれる“ヘラ”みたいなものがあり(図2)、食事の時に、喉頭のふたの役目をして、食物が気管に入らないようにするものです。この喉頭蓋が腫れあがると、含み声とともに呼吸が苦しくなります。また、喉頭で声帯の後ろ部分にヒレツ部と呼ばれる部位があり、ここが腫れると窒息の危険性がさらに増すので厳重注意が必要です。場合によっては緊急気管切開などを行うこともあります。

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