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深澤耳鼻咽喉科通信

vol.47 アレルゲン免疫療法 2013.12-2014.1

2013.12.01

花粉症・アレルギー性鼻炎の治療は、基本的に対象療法が主な治療となっています。内服、点鼻、時に手術治療などが行われています。
 一方、1920年代にイギリスのとある医師が、枯草熱(枯れ草に対するアレルギーのことで、微熱が出たのでこのような病名になりました。ヨーロッパで呼ばれた病名です)に対して枯れ草のエキスを患者さんに投与して治療を行うことを始めたのが、アレルゲン免疫療法(以前は、減感作療法と呼ばれていました)の始まりと言われています。どうしてこの治療が行われる発想になったか不明ですが、アレルギーを引き起こす相手に、“なれさせる”ということが原点にあるのではないでしょうか。

 日本においても、アレルギーの体質を変えることの出来る可能性のある治療法として、主にハウスダスト・ダニに対する免疫療法が行われていました。
 しかしながら、なぜこの治療法が有効なことがあるのか?また、治療がかなり長期に渡って継続する必要があること、皮下にハウスダストなどのアレルゲンを注射するので、通院が必要(当初は1,2週間に一度)なこと、治療に3年程度要すること、ごく稀にアナフィラキシーショック(アレルギーを起こす物質を皮下に注射するので)を来たすことなど、からあまり広く行われていないのが現状です。

 最近では、免疫療法に使用するアレルゲン(ホコリ、ダニ、スギ花粉など)の精製技術の向上で、安定したアレルゲンが供給されるようになったことで、見直されてきています。
 さらに、来年(2014年)からは、いままで皮下に注射でアレルゲンをうっていた方法ではなく、口から投与する方法(舌下免疫療法)が開始される見込みです。
 皮下に投与する(注射する)、いままでの方法とは異なり、自宅で毎日、アレルゲンエキスを口のなか(舌の下)へ投与するものです。
 この治療は、いままでの皮下に注射する方法と治療原則は同じです。
 メリットは、基本的に自宅で出来るので毎週通院する必要はないこと(治療開始時は、病院で観察する必要はあります)、注射ではないので、痛くないことなどがあります。
 ただし、アレルギーを引き起こす物質(花粉、ダニなど)を入れるので、口内粘膜にアレルギーの反応がおこり、粘膜がただれたり、いがいがしたりなどの症状が起こりやすいことがあります。今までの報告によると全身への強いアレルギー反応(アナフィラキシー)は、皮下の投与法より随分少ないとされています(ゼロではありません)。
 また、本治療法は、かなり時間がかかるということも理解する必要があります。一般には、3年は必要であるとされています。
また、全ての患者さんに有効であるとは言えません。  
 他の病気、特別な体質の方は本治療が出来ないこともあります。
  2014年春頃から、おそらく舌下免疫療法が保険適応の治療として認可される予定です。

* アレルゲン:アレルギーを引き起こす原因物質(ハウスダスト、スギ花粉など)

* アナフィラキシー:アレルギーを持っている人が、そのアレルゲンを食べたり、注射されたりしたとき、全身に反応がおこり、重篤な状態になること(生命にかかわることもあります)。

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